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ニューロシンボリック・エージェントへ進化:neo-pkg-llm-chat 3.0.0リリース

2 時間前
読了時間: 6分

2.xに最後まで残った弱点は、「AIが直接書くコード」でした。


2.0.0では、意図に応じて機能を分け、不正な入力を自動補正することで、誤動作を大幅に減らしました。

しかし、最後まで残った問題がありました。それが「AIが直接作成するチャートのコード」です。


チャートを1枚作るにも、内部ではクエリのコードを書く必要があり、そこには多くの落とし穴があります。

時刻値の扱いや、集計・区間処理のルールなどで、AIは同じ間違いを繰り返していました。

特に軽量なローカルモデルでは、「実行できないチャート」や「構文は正しいのに何も表示されないチャート」が頻繁に生成されました。さらに悪い場合には、AIがコードを作り上げて「こうすればできます」と回答しても、実際にはそのコードが間違っていました。

3.0.0最大の変更点である「ニューロシンボリック・エージェント」は、まさにこの問題に対応します。

  1. ニューロシンボリック・エージェント

  2. 予測機能を新規追加(Beta)

  3. 誤った回答の自動遮断

  4. セキュリティの強化

  5. ドキュメント検索の精度向上

  6. ユーザー別のお気に入り

  7. 安定性と使いやすさの改善



1.ニューロシンボリック・エージェント:AIは意図を理解し、コードはシンボリックエンジンが生成


AIにチャートのコードを直接書かせることはしません。

代わりにAIは、「何を、どの期間について、どのようにまとめて見たいのか」という意図だけを整理し、実際に動作するコードはルールベースのシンボリックエンジンが生成します。


自然言語を理解して意図を抽出する処理(ニューラル)と、その意図を落とし穴のないコードに変換する処理(シンボリック)を分離した点が重要です。不正確さが残るAIには、得意な意図の理解を任せ、正解を明確に定義できるコード生成はシンボリックエンジンが担います。


さらに、生成したコードはユーザーに提示する前に一度実行し、検証します。

これは、チャートを描画する場合にも、「このように検索できます」と回答内でコードを示す場合にも適用されます。


その結果、エンジンが対応できる範囲内では、実行できないチャートがユーザーに届くことはありません。落とし穴の多いコード作成はシンボリックエンジンが担い、AIは意図の理解を担います。


2.予測機能:新規Beta機能

※Beta機能です。現在は主に線形のトレンド予測に対応しており、さまざまなデータで精度の検証を進めている段階です。運用上の意思決定の唯一の根拠ではなく、傾向を把握するための参考としてご利用ください。


「今後どうなるか」という質問に回答します。

最近の傾向から将来の値を予測し、不確実性を把握できるよう信頼区間も表示します。


  • 標準では、直線のトレンドラインを使用します。過度な外挿を避けるため、単純なモデルを優先します。データに明確な加速・減速や周期性が確認できる場合に限って曲線・周期モデルを使用し、現時点ではその判断を慎重に行っています。

  • 予測には信頼区間が表示されます。

  • ダッシュボードに追加すると、チャートを開くたびに最新データで再計算されるため、予測が古いままになることはありません。

  • タグが多すぎる場合には、一度にすべてを描画せず、何を予測するかを確認します。


3.誤った回答がユーザーに届く前に遮断


ニューロシンボリック・エージェントと予測機能が「正しい結果を生成する」ための仕組みだとすれば、

こちらは「誤った結果を外に出さない」ための仕組みです。運用中によく見られたAIの間違いを、自動的に除外します。


  • AIが作り上げたコードを回答に含めようとした場合は、遮断して再生成させます。

  • 分析を終えた後にダッシュボードの作成を忘れた場合は、その処理まで完了させます。

  • 未検証のチャートや誤ったチャートは、回答に含めません。


原則は1つです。ユーザーに提示する結果は、システムによって検証されていなければなりません。


4.セキュリティ:危険なコマンドを一貫して遮断


データの変更・削除、サーバーの制御、システムコマンドの実行を試みる操作を、一元的かつ一貫して遮断します。

利用するAIモデルや、リクエストが入ってくる経路にかかわらず、同じルールを適用します。


検索、分析、通常のデータ収集は引き続き利用できますが、危険な操作は拒否し、コンソールで直接実行するよう案内します。


5.ドキュメント検索の精度向上


従来のマニュアル検索では、文書の冒頭部分しか読まないため、後半に記載された機能を「サポートしていません」と誤回答することがありました。3.0.0では必要なセクションを正確に探して読むよう改善し、実在する機能を存在しないと答えるハルシネーションを減らしました。


6.ユーザー別のお気に入り


よく使う項目を、ユーザーごとに保存できます。

2.0.0で導入したユーザー別設定の分離に続き、個人向けの機能を拡充しました。


7.安定性と使いやすさの改善


回答が何度も繰り返される、特定の状況でダッシュボードが開かない、単純な検索結果が表ではなくチャートで表示されるなど、運用中に見つかった不具合を修正しました。


また、定期トレーニングで特に多く寄せられた質問をサンプルとして用意しました。LLM Chatで分野別のサンプルを選び、すぐに問い合わせを実行できます。

初めて使う方も、必要な機能をより簡単に見つけて活用できます。


ひと目で分かる比較(2.5.0 → 3.0.0)


項目

2.5.0

3.0.0

チャートのコード

AIが直接作成

AIは意図を整理し、シンボリックエンジンが検証済みコードを生成

予測

なし

トレンド予測チャート(主に線形トレンド・信頼区間)— Beta

誤った回答

ユーザーに届く可能性あり

検証済みの結果のみ表示

セキュリティ

分散して処理

一元的かつ一貫して遮断

ドキュメント検索

冒頭部分のみを読み、誤回答が発生

必要なセクションを探して読む

ユーザー別機能

設定を分離

設定に加えて、お気に入りも分離

 


おわりに


2.0.0が「構造を整えた」バージョンだとすれば、3.0.0はその構造の上でAIの推測を減らし、新しい能力を加えたバージョンです。

基本となる考え方は1つです。正解が明確で、落とし穴の多い仕事はAIに任せない。


AIは「何を見たいのか」を表現します。それを落とし穴のないコードに変換し、実際に実行して検証する役割は、シンボリックエンジンが担います。

その上に、予測という新たな価値と、セキュリティ・文書の正確性・ユーザー分離による運用上の信頼性を加えました。


今後も、実際の業務で安心して使えるAIエージェントを目指し、改善を続けていきます。


 
 
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