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さらに賢くなったAIエージェント:neo-pkg-llm-chat 2.0.0リリース

2 時間前
読了時間: 7分

自然言語でデータについて尋ねると、AIがチャートを描き、ダッシュボードまで作ってくれる時代になりました。

Machbase Neoのneo-pkg-llm-chatパッケージは、そのような体験を実現するLLMエージェントです。


ただ、以前のバージョンを使った方は、一度はこんなもどかしさを感じたかもしれません。

  • 「OllamaのようなローカルLLMを接続したら、関係のないツールばかり呼び出す…」

  • 「APIの費用が、思っていたより高いのでは?」

  • 「複数人で使うと、誰かが重い分析を実行している間、ほかの人の応答まで遅くなります」


私たちMachbaseも同じ課題を感じていました。そこで、neo-pkg-llm-chat 2.0.0では全面的に設計を見直しました。本記事では、その成果をご紹介します。


従来の1.xと比べて何が良くなったのか、主なポイントを見ていきましょう。


  1. ハーネス構造の導入

  2. JSHを基盤とする単一パッケージ

  3. トークン使用量を最大80%削減

  4. その他の改善点

  5. ひと目で分かる1.xと2.0の比較



1.ハーネス構造の導入:AIエージェントの「考え、行動する」仕組みが進化


従来の1.xでは、ユーザーからのあらゆる質問をほぼ同じ方法で処理していました。


「昨日のデータを見せて」という単純な質問でも、「過去1か月の振動データから異常パターンを分析してレポートを作って」という複雑な依頼でも、AIに同じ26個のツールをすべて提示し、適切なものを自分で選ばせていました。


そのため、LLMが混乱することがよくありました。単純な検索なのにダッシュボードを作ろうとしたり、レポートを頼んだのにチャートだけ描いて終わったり。高性能なClaudeでも、ときには見当違いの動きをしていました。


2.0.0では、ハーネス(harness)構造を導入しました。

簡単にいえば、ユーザーの意図に合わせて、AIの作業環境をあらかじめ整理しておく仕組みです。


8種類の意図に対応する機能(Skill)

まずユーザーが何を求めているかを分類し、その意図に必要なツールだけを選んで提示します。

ユーザーの意図

実行する処理

基本分析

データ検索、チャート作成、ダッシュボード生成

高度な分析

FFTや統計などの複雑な分析

レポート

4種類のテンプレートによるHTMLレポート生成

データ検索

単純な検索とSQL結果の返却

ドキュメント検索

Machbaseのマニュアル・ドキュメントを検索

タイマー

TQLタイマーの登録・管理

システム情報

システムの指標・状態を取得

一般的な会話

その他の自由な会話


たとえば、ユーザーが「BEARINGテーブルの昨日のデータを見せて」と依頼すると、

システムは単純なデータ検索だと判断し、必要な3個のツールだけをAIに提示します。


26個の中から選ばせていた1.xとは、大きな違いです。


自動補正と安全策も強化

LLMは、ときどき間違えます。

チャートを描くのを忘れたり、本来は大文字のタグ名を小文字で送ったり、データを確認する前にダッシュボードを作ろうとしたりします。


2.0.0では、こうしたよくある間違いを自動的に検出する安全策を設けました。


  • 分析は終わったのにチャートがない? → チャートを自動生成します。

  • temperatureと送られたものの、実際のタグはTEMPERATURE? → 大文字・小文字を自動補正します。

  • 同じツールが失敗を繰り返している? → 無限ループを防ぐため停止します。

  • 存在しないタグ名で呼び出そうとしている? → 実行前に遮断し、不要なAPIの消費を防ぎます。


いわば、LLMが間違えても対処できる環境を整えたのです。

その結果、ユーザーに提示される結果の品質は、目に見えて安定しました。



2.Machbase Neoの内部へ:JSHを基盤とする単一パッケージ


1.xを導入した方なら、バックエンドのneo-pkg-llmとフロントエンドのneo-pkg-llm-chatを別々に取得し、Goでビルドする必要があったことをご存じでしょう。


Goコンパイラーの導入が必要で、プラットフォームごとにバイナリも異なるなど、手間がかかりました。


2.0.0では、Machbase Neo内部のJSH環境で動作するよう、全面的に再実装しました。


何が改善されたのでしょうか?

  • Goのビルドは不要です。Machbase Neoがあれば、その場で実行できます。

  • パッケージは1つだけです。バックエンドとフロントエンドを統合しました。

  • プラットフォームを気にする必要はありません。Windows、Linux、macOSで同じように動作します。

  • Machbase Neoと一体化します。Neoの内部APIに直接アクセスするため、データの流れがより高速で効率的になります。


V8.5で強化されたJSH環境の力を、よく示す事例といえるでしょう。

Machbase Neoをインストールし、パッケージを一度コピーすれば完了です。


ユーザー別の設定も可能になりました

複数のユーザーが、それぞれの設定で利用できるようになったことも改善点です。


  • ユーザーAはClaude、BはGPT-4、Cは社内のOllamaを利用できます。

  • 各自が自分のAPIキーを使用できるため、部署ごとに費用を分けて請求できます。

  • セキュリティ要件に応じて、一部のユーザーにはローカルのOllamaだけを許可できます。


企業がチーム単位で導入する場合に、特に役立つはずです。



3.トークン使用量を大幅削減:最大80%


ユーザーが最も実感しやすい変更点かもしれません。


なぜ1.xでは多くのトークンを使っていたのでしょうか?

以前のバージョンでは、ユーザーの質問ごとに、約8,200トークンのシステムプロンプトとツール定義を丸ごとLLMへ送っていました。


「昨日のデータを見せて」という単純な質問にも、26個すべてのツールの説明を送っていたのです。


たとえるなら、お客様が「水を1杯ください」と言うたびに、レストランのメニューを最初から最後まで読み上げていたようなものです。


2.0.0では、意図に必要な情報だけを送信

先ほど紹介したハーネス構造により、AIが受け取るのは、その意図に必要なツールと説明だけです。その結果、トークン使用量は次のように減りました。

作業

トークン使用量の削減率

データ検索

83%

システム情報

83%

レポート生成

78%

ドキュメント検索

77%

基本分析

68%

タイマー操作

59%

高度な分析

49%


なぜこれが重要なのでしょうか?

1.API費用を削減できます

ClaudeやGPTはトークン単位で課金されるため、トークンの削減が直接コスト削減につながります。データ検索のような頻繁に行う作業では、80%の削減は大きな差になります。


2.応答が速くなります

LLMが処理するトークンが少ないほど、応答の開始が早くなり、全体の応答時間も短くなります。特に、最初の文字が表示されるまでの時間(TTFT)の短縮を実感できます。


3.ローカルLLMでも安定して動作します

Ollamaなどで利用するローカルLLMは、一般にコンテキストウィンドウが小さかったり、長い入力で性能が低下したりする傾向があります。トークンを減らすと、小型モデルでも安定して動作します。Ollama環境では、圧縮した英語のプロンプトを自動的に使用するため、同じ作業でもさらに35~40%少ないトークンで処理できます。



その他の改善点


セッションを分離しました

以前は、1人が重い分析を実行すると、ほかのユーザーの応答も遅くなっていました。


2.0.0では、ユーザーごとに独立した処理領域を持つため、1人の作業がほかの人に影響しません。あるユーザーで問題が起きても、ほかのユーザーは影響を受けずに利用を続けられます。


レポートの表現がより自然になりました

1.xでは、安全スコアが95点なのに、「危険!直ちに教育が必要!」といった過剰な警告が表示される場合がありました。


2.0.0では、スコアに応じて表現の調子を自動調整します。

  • 90点以上 → 前向きで評価する表現

  • 70~89点 → バランスの取れた表現

  • 40点未満 → 重大な問題を中心に説明


振動の重大度区分(Good/Warning/Danger/Critical)も見直し、振動分析レポートの信頼性を高めました。



ひと目で分かる1.xと2.0.0の比較

項目

1.x

2.0.0

導入

Goのビルドが必要、2つのパッケージ

JSHベース、単一パッケージ

ツール

すべての質問で26個を提示

意図に合わせて必要なツールを選択

トークン使用量

毎回約8,200トークン

49~83%削減

設定

共通の設定

ユーザー別の設定

処理

単一のプロセスを共有

ユーザーごとに独立した処理

エラー対応

一部を補正

自動補正と安全策

レポートの表現

一律

結果に応じて自動調整



おわりに:より賢く、より速く、より効率的に


neo-pkg-llm-chat 2.0.0を開発するにあたり、私たちが最も重視したことは1つでした。


「お客様がMachbase NeoのAIエージェントを、実際の業務で使えるようにすること」


派手な機能を見せるだけのデモではなく、実際の運用環境で、安定して、適切なコストで、複数人が同時に利用できるAIエージェントが必要でした。


2.0.0は、その方向へ進む第一歩です。

Machbase Neoと一体化したLLMエージェントが、どのような可能性を広げるのか、私たちも期待しています。


今後の計画

  • 既存機能のさらなる高度化

  • さまざまな新機能の追加

  • ご要望に応じたカスタムレポートテンプレートの提供


Machbase Neo V8.5とともに、新しくなったAIエージェントをぜひお試しください。




 
 
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